マンガ家サミット G11 トークショー

マンガ家サミット G11 トークショー

2010 年 7 月 15 日(木)〜 9 月 9 日(木)に、吉祥寺で「きちじょうじのなつやすみ」が開催されました。

その一環として、8 月 18 日(水)〜 22 日(日)に武蔵野市立武蔵野商工会館 4F のゼロワンホールで「泉谷しげる強烈!マンガ展」(入場無料)も開かれ、最終日には「マンガ家サミット G11 トークショー」も行われました。

  • 10:00 入場整理券配布開始(先着 100 名)
  • 13:30 開始
  • 出演:泉谷 しげる/小島 加奈子/浦沢 直樹/江口 寿史/本 秀康/GAINAX ガイナックス(貞本 義行/飯田 史雄/赤井 孝美/武田 康廣)
  • 西原 理恵子も出演予定だったが、連絡不徹底のため家族旅行中

トークショーの内容を以下にまとめます(敬称略)。

ガイナックス

  • 庵野 秀明たちが大阪芸術大学の学生だった頃、課題で「ウルトラマン」のパロディ作品を撮影したことがあり(台詞逆輸入注:「アオイホノオ」(島本 和彦)第 4 章参照)、庵野が演じるウルトラマンを大きく見えるようにした(武田)
    • 子供の頃、円谷プロの「ウルトラマン」はカメラ位置が高すぎる、と感じていたが、庵野も同じように思っていた(浦沢)
    • 平成ガメラシリーズ(台詞逆輸入注:特撮監督はガイナックス出身の樋口 真嗣)は、ガメラが大きく感じる(泉谷)
      • 実景を遠景として使っている(赤井)
  • 「王立宇宙軍 オネアミスの翼」(1987) を制作するために、ガイナックスを設立した(武田)
    • 内容は覚えていないが、雲 1 つに至るまで手抜きがなかった(泉谷)
    • 音楽は坂本 龍一(武田)
      • 「ラストエンペラー」(1987) でアカデミー賞を受賞する直前なので、ギャラは高くなかった

出演者が手掛けた CD ジャケット

大友 克洋とメビウス

出演者の初期衝動

  • 浦沢(1960 年 1 月 2 日生)
    • 「火の鳥 鳳凰編」(手塚 治虫)
      • ラストシーンの我王は、キツツキみたいな目
    • 「火の鳥」が掲載されていた「COM」には、1969 年に泉谷の「トツゼン児」も掲載された
      • 室内作業は向かないから、マンガ家にはならなかった(泉谷)
      • マンガ家の第 1 条件は、長時間椅子に座っていられること(浦沢)
  • 江口(1956 年 3 月 29 日生)
    • 手塚は前提
    • 「ハリスの旋風」(1965) の途中から「あしたのジョー」(1968) に掛けてのちば てつやが大好き
      • 自分の絵柄も、手塚風からちば風に変化した
    • 「喜劇新思想大系」(山上 たつひこ)
      • ストーリーなのにナンセンスで、何でもやっていいんだ、と思った
      • 自分にとって、パクリの聖典
      • 「すすめ!!パイレーツ」まではギャグができれば、絵はどうでもよかった
      • かわぐち かいじの初期作品は山上そっくりだし、山上と泉谷もダブる(浦沢)
    • 大友
      • 「ショート・ピース」(大友 克洋)の友達が殺される場面の余白に、衝撃を受けた
      • 大友以前は可愛くなくなるので女性の顔の正面に鼻の穴を描かなかったが、以後は描くようになった
      • 当時の江口の連載作品は、大友の影響を受けて絵が変わりつつあった(浦沢)
    • 相手が新人でも、良いものはパクる
  • 本(1969 年 3 月 3 日生)
    • マンガ家になりたかったが、諦めてイラストを描いていた
    • 「ドロンちび丸」(杉浦 茂)
      • 自分の世代には、マンガではなくイラストにしか見えない
      • 杉浦の絵で現代を描いたら、面白いのではないか
      • The Beatles ザ・ビートルズで言えば、浦沢・江口は James Paul McCartney ポール・マッカートニーや John Lennon ジョン・レノンで、サブカルマンガ家は George Harrison ジョージ・ハリスン
  • 貞本(1962 年 1 月 29 日生)
    • 「新世紀エヴァンゲリオン」のメカニックデザイン(山下 いくと・庵野)
      • デビルマンのシルエットのようなロボットを目指したらしい
      • ウルトラマンの初代スーツアクターの古谷 敏が長身(身長 181 cm)で、前傾姿勢だった
      • 「機動戦士ガンダム」のガンダムは西洋の甲冑っぽいので、東洋的な鬼に
      • 零号機は青鬼で、弐号機は赤鬼
      • 初号機を白にすると、ガンダムや「宇宙の騎士テッカマン」のテッカマンや「機動警察パトレイバー」のパトレイバーに似てしまうので、紫にした
      • 2 度と描けないデザインなので、すぐに造型師を呼んで立体化してもらった
      • ガイナックスの WEB 企画「SF 百景」で初号機を描くために、秋葉原でフィギュアを買った(泉谷)
    • 「新世紀エヴァンゲリオン」のキャラクターデザイン
      • キャラクターの服がブカブカなのは、塚本 晋也監督の「ヒルコ/妖怪ハンター」(1991) の中学生 3 人組の影響
      • アニメは、生地の素材感を表現するのが難しい
      • 宮崎アニメの服が尖っていないのは、彩色しやすいように
      • 「未来少年コナン」のコナンの髪型は大変だったはず
      • 17, 18 歳の頃、新宿で「オバケの Q 太郎」や「もーれつア太郎」のセル画彩色のバイトをした(泉谷)
      • 「王立宇宙軍 オネアミスの翼」で髪にハイライトを入れたが、そんなアニメは当時はなかった
      • 大友が髪にツヤを入れるようになり(AKIRA ヅヤ)、影響を受けた自分も天使の輪を残してアシスタントにベタを塗ってもらうが、天使の輪の縦線は毎回自分で入れている(浦沢)
    • 子供の頃に影響を受けた作品
    • 「100 万年地球の旅 バンダーブック」の坂口 尚には、自分も影響を受けた(浦沢)→浦沢 直樹トークショー「手塚アニメはイチゴ味」
      • デビュー当時、編集者に「手塚と大友を混ぜちゃえ」と言われたが、それは坂口がやっている
      • 「あっかんべェ一休」は、ヨーロッパで評価が高い
    • 松本の白と黒のバランスは、坂口の影響が大きい
  • 飯田(1961 年生)
    • SUEZEN 名義で、マンガ家としても活動
    • タツノコプロ出身
      • 鼻の穴がある女性は、アニメでは「科学忍者隊ガッチャマン」(1978) の白鳥のジュンが最初だろう
      • 吉田 竜夫が死んでも、タツノコプロは残っているのがすごい(泉谷)
      • 「マッハ GoGoGo」(1967) は、あの時代にあの絵は衝撃的だった(浦沢)
      • 清志郎が中学生の頃、スケッチブックを持ってタツノコプロへ行き「入社させてくれ」と頼んだら、「大きくなったらおいで」と言われたらしい(浦沢)
  • 赤井(1961 年 11 月 21 日生)
    • 画用紙に下描きを描けるだけ描いて水彩後、仕上げだけデジタル処理
      • 目など重要な部分だけ下描きを消す
    • マンガも下描きをなぞると、完成後にがっかりする(浦沢)
      • 下描きのようにペン入れするとよい
    • 日本のアニメーターは全キャラクターを描くが、アメリカのアニメーターは担当キャラクターが決まっている
    • 全体的に影響を受けたのは、手塚・松本・杉浦・吾妻 ひでお
    • 「モスラ対ゴジラ」(1964) でゴジラが四日市に上陸するシーンは、当時世界に 5 台しかない最新機械を導入して実景に合成された
      • 合成のためのゴジラの切抜きが、放射能で発光しているように見える
      • 「日常生活に異物がいる」が自分のテーマ
      • 昔の「ゴジラ」はスタッフに空襲体験があるので人々がゴジラの進行方向と垂直に逃げていたが、最近は出鱈目に逃げている
      • 最近は高層ビルが多いので、50 m のゴジラが大きく感じられなくなってしまった(浦沢)
      • 逆に、ゴジラがビルに隠れてどこにいるのか分からなくても面白いのではないか
  • 武田(1957 年 9 月 12 日生)
  • 泉谷(1948 年 5 月 11 日生)
    • 小松崎 茂
      • 小松崎邸の火事で原画が多数消失したときは、泣いた

ミニライブ

ライブの曲目です。

  1. 吉田 拓郎「イメージの詩」
  2. 浦沢 直樹「Bob Lennon ボブ・レノン」
  3. 泉谷 しげる「春夏秋冬」