ラビット・ナボコフ
ラビット・ナボコフとは、「1989 年、ベルリンの壁が崩壊して、社会主義国家ソ連がロシアになり、自由主義資本がドッとなだれ込んだ時」「一獲千金を夢見て、ギャンブル熱がわき上がった」「中、アレキサンドル・ナボコフという男が考案したカードゲーム」です。
「ギャンブル性が高すぎ」「一発で大勝ちする。その額がケタはずれ」で、「逆に大負けで、自殺者の数は異常にふくれ上がった」上、「イカサマがしやすかった」ため、「世界的に、カジノでブームになるかと思われたが、あっという間に消えうせ」ました。
ラビット・ナボコフのルールは、以下の通りです。
- カードを親に表向きで 1 枚、子に裏向きで 5 枚ずつ配る
- 親のカードと子のカードの数が、引いて 2 になれば「ラビット」
- K と J, Q と 10 など
- 大小は問わないので、親が 10 のとき子は Q でも 8 でもいい
- マークが同じなら、「ハラショー」で倍づけ
- 親のカードが A のとき
- 子が勝てるのは A だけで、「ピロシキ」で 10 倍
- 親のカードが 2 のとき
- 子が勝てるのはジョーカーだけで、「ミーシャ」で 50 倍
- 2 が出てしまったら、「カチューシャ」でかけ金の 10 倍没収
- 親のカードがジョーカーのとき
- 子が勝てるのは ♥2 だけで、「ラビット・ナボコフ」で 100 倍
ゲーム中には、以下の用語が使われます。
- ペレストロイカ
- 子が勝負する
- ポトフ
- 子の負け
- マトリョーシカ
- 親が次の手札を見せる
ところで、カジノで行われるカードゲームは、大きく 2 つに分類できます。
- 親と子が勝負するゲーム(自分以外の子の勝敗は無関係)
- 代表例:ブラックジャック
- 便宜上親はいるが、全員が自分以外を相手に勝負するゲーム
- 代表例:ポーカー
ラビット・ナボコフは架空のゲームですが、ブラックジャックによく似ています。
いずれも親と子が対決するゲームですから、子が複数いてもそれぞれの相手は親なのに、「20 世紀少年」第 9 巻第 4 話「ラビット・ナボコフ」では、長髪の男がカンナに「何やらかしてんだ テメエ、コラ——!!」「こんな立て続けにハラショーだのピロシキが出てたまるか!!」「ふざけたマネしやがって、このイカサマ娘が——!!」と騒ぎ、挙句の果てには、長髪の男と眼鏡の男は拳銃を抜きます。
このことから、長髪の男と眼鏡の男はカジノとグルで、カンナが参加する前は小太りの男をカモにしていたものと思われます。
具体的には、親と 2 人の男が何らかの合図を交換しながらカウンティング(消化されたカードの種類と枚数を数えること)をして、カモの手札を予想していたのでしょう。
しかし、長髪の男は袖口に何枚かカードがあって二度ほどイカサマをやらかしているらしく、行動を説明できません(子の対戦相手は親であり、仲間の親に対してイカサマをする必要はない)。